
病院の費用は高額なものもありますが、特に歯科医院の治療費は高いと感じている方は多いと思います。
歯科治療の中には保険適用外のものも多く、保険がきかなければ全額自費で払わなくてはいけません。
しかし治療費が高いからと、治療を放置するわけにもいきません。
保険がきかないものとしては、歯科矯正、ホワイトニング、先進医療などがあります。
治療費が高く、保険がきかないときに利用できるのが「デンタルローン」です。
デンタルローンは歯の治療をするためのローンで、銀行などの金融機関で契約できます。
歯科医院によっては医院内でローンが組める場合もあるため、わからないことがあれば詳しい説明を受けられます。
今回は、デンタルローンのメリットとデメリットは何か、また審査はどのように進められるのか解説していきます。
また、低い金利で借入できるデンタルローンを比較して、おすすめのデンタルローンも紹介していきます。
デンタルローンとカードローンでは、どちらがお得に利用できるかについても併せて解説します。
この記事でわかること
- デンタルローンの審査は2週間程度かかる
- デンタルローンの平均金利は年5.0%前後
- デンタルローンは在住地域によって使える金融会社が異なる
デンタルローンはどんなローン?
医療ローンの1つで、歯の治療をするために存在しているローンのことを「デンタルローン」と呼びます。
金融機関で「デンタルローン」として提供していれば、そのローンは歯の治療に関する支払いにしか利用できません。
目的があるローンでは、見積もりを出して必要な費用をまとめて借り入れることになります。
目的以外のことに資金を利用することはできないうえ、カードローンのように追加で融資を受けることもできません。
デンタルローンを契約するためには、数多くあるローンの中から自分に適したものを選ばなくてはなりません。
金融機関によって金利や限度額も異なります。
■ご利用限度額 【デンタルプラン】10万円以上800万円以内(1万円単位)
■利率 年4.0%~7.0%(変動金利)
金融機関に医療ローンやデンタルローンがなければ、フリーローンや多目的ローンで代用ができます。
デンタルローンの利用条件
デンタルローンは20歳以上の安定した収入のある人が利用できます。
限度額や申込内容(主婦や年金受給者など)によっては連帯保証人が必要になることもあります。
高額なものであれば200万円近い融資を受けることも可能です。
金利は金融機関によって大きく異なりますが、基本的には融資額が大きいほど金利は低くなります。
金利が低いローンであれば5%以下のものもあり、金利が高いローンでは15%程のものもあります。
【参考例】
借入金額:100万円
金利:15%
でデンタルローンを利用した場合、1ヵ月の金利はどれくらいになるのか?
100万円借りて15%の金利だった場合、1か月の利息負担は100万円×0.15÷365×30日=1万2,300円
金利が高いと支払う負担も大きくなりますので、なるべく金利が低いローンを選ぶと良いでしょう。
ただし金利が低いローンは審査が厳しく行われます。
そのため、申込者が今まで他社を利用した実績や、収入によっては契約ができない可能性もあります。
デンタルローンのメリットやデメリットは?
お金を借りることが目的なのであれば、デンタルローン以外にもクレジットカードのキャッシングや、カードローンが利用できます。
クレジットカードでキャッシングができれば、新しくローンを組まなくても費用を集められます。
しかしキャッシングやカードローンは、上限金利が約18%と高いものが多いです。
デンタルローンのメリットは、金利の相場が4~8%と低いことです。
- メリット...デンタルローンは金利が低い
実際にデンタルローンと、カードローンの金利を比較してみました。
ローンサービス | 金利 | ローンの種類 |
---|---|---|
イオン銀行デンタルローン | 3.8%~8.8% | デンタルローン |
新生銀行グループ アプラスデンタルローン | 5.8% | デンタルローン |
プロミス | 4.5%~17.8% | カードローン |
バンクイック | 1.8%~14.6% | 銀行カードローン |
デンタルローンの金利が安い理由に、返済専用のローンであることも関係しています。
クレジットカードのキャッシングやカードローンは、自分の好きな時に追加融資を受けることが可能です。
そのためお金を借りることに慣れてしまい、完済が難しくなってしまうのです。
自由度の高いことが売りのカードローンですが、使いすぎてしまうと、生活に悪影響を及ぼすこともあります。
しかしデンタルローンの場合は、追加融資することもできないので、借りすぎてしまう心配はありません。
計画通りに支払いを進めていけば完済できます。
デメリットは契約までの手続きにかかる時間や、追加融資が必要になった場合再審査が必要な点です。
デンタルローンには見積もりが必要なので、何にいくらかかるのかを金融機関に証明しなくてはなりません。
- デメリット...追加融資の手続きが面倒
デンタルローンはあらかじめ契約しておくことができないため、契約までの手順がカードローンと比較すると複雑です。
そして追加融資を受ける場合は再度審査が必要で、必ずしも融資を受けられるとは限りません。
デンタルローンの審査に通らなかった場合、治療費を別の方法で工面しなくてはならないこともあります。
自由に返済する場合は、別途手数料がかかることもあるので注意しましょう。
デンタルローンの審査について
引用元:デンタルキュアさんの申込の流れ
デンタルローンの審査は、他のローンの審査と基本的な流れは一緒です。
デンタルローンは金利が低いため、より慎重に審査が行われます。
「WEBで事前審査」とは、歯科医院に見積書を出してもらう前に契約可能な状態かどうかを判断してもらえるものです。
事前審査を受けない場合は、歯科医院で見積書を出してもらった上で、正式な申し込みを行います。
この場合、審査に通る可能性は事前審査をした場合よりも低いので、見積書を出しても契約できるとは限りません。
事前審査を受け審査に通っていれば、歯科医院で再診をしてもらい、見積書を送ることになります。
こうした目的のあるローンでは見積書が必要となるため、治療費によって限度額が変わります。
申込書にはさまざまな項目がありますが、どういったものが重要視されるのでしょうか。
次項で解説しますので、確認しましょう。
デンタルローンの申込書の記載内容
まず申込書に以下の項目を記入します。
- 氏名
- 生年月日
- 住所
- 電話番号
- 職業
- 年収
- 他社の借入件数や残高
- 会社規模
- 住居形態
申込内容をもとに、申込者に返済能力があるかを判断します。
他社での利用件数や借入残高が多いと、返済能力がないとみなされ、見送りとなってしまうこともあります。
またローンの申し込みでは、信用情報の確認が行われます。
信用情報には他社での利用履歴が残っているため、現在も延滞中の支払いがあれば審査に通ることはできません。
現在クレジット支払いやローンの支払いを延滞している方は、解消しておく必要があります。
さらに頻繁に延滞を繰り返している場合も、契約できない可能性が高くなってしまうので注意が必要です。
確実に融資を受けたいのであれば、事前審査を受けて契約ができる事を確認してから、診察を受けましょう。
審査結果で契約が可能と審査通知がくれば、安心して治療に専念できます。
資金はまとめて全額振り込まれるので、歯科医院に支払いをしましょう。
毎月の返済は、ローンを組んだ金融機関に支払いをします。
返済方法については回数を決めたり、ボーナス払いをいれたりと、融通を利かせることが可能です。
早めに元金を減らすことで利息負担を軽減できるため、無理のない程度に支払いを進めていくと良いでしょう。
金融機関によっては、どのくらいの利息がかかるのかシミュレーションできるツールを公開しているところもあります。
一度計算してから利用を検討するのも良いでしょう。
デンタルローンおすすめ比較!低金利なのはどこ?
デンタルローンを提供している金融機関をいくつかピックアップして一覧にまとめてみました。
金融機関 | 利用限度額 | 金利 | 返済期間 |
---|---|---|---|
イオン銀行デンタルローン | 10~700万円 | 3.8%~8.8% | 1年~8年 |
千葉銀行デンタルローン | 10~500万円 | 5.0%~5.2% | 6ヶ月~10年 |
筑波銀行つくばデンタルローン | 10~500万円 | 5.0% | 6ヶ月~10年 |
新生銀行グループ アプラスデンタルローン | 10~500万円 | 5.8% | 最長7年 |
デンタルローンは、さまざまな金融機関が提供しています。
銀行は、「目的別ローン」の一種としてデンタルローンを用意していることが多いです。
結論から言うと、デンタルローンは「金利」「返済期間」で選びましょう。
歯は長期的に治療する可能性があるからです。
人によっては、治療に1年以上かかる場合もあるでしょう。
そのため、長期返済が可能で金利が抑えられているデンタルローンも選択肢の一つです。
※返済は必ずしなければいけません。返済できない借入はやめましょう。
金利で比較!おすすめデンタルローン
利用限度額は、イオン銀行のデンタルローン「アシストプラン」が最大700万円と、最も高額な融資が可能です。
それに伴って金利も下限が年3.8%と、他社と比較すると低めに設定されていることがわかります。
基本的に金利は利用限度額に応じて設定されるので、高額融資が実現しないと下限金利は適用されません。
高額融資を希望する際は、収入の多さに加え信用情報に問題ないことが条件となります。
いくら借りるかによりますが、高額の借入を考えていない場合は、上限金利を比較してデンタルローンを選ぶと良いでしょう。
また借入後の返済額が気になる方は、返済シミュレーションを利用してみましょう。
上限金利が一番低く設定されているのは、筑波銀行のつくばデンタルローンです。
筑波銀行のつくばデンタルローンは、借入額に限らず固定金利で年5.0%なので、返済計画を事前に立てやすくなります。
次いで千葉銀行デンタルローン、新生銀行グループのアプラスデンタルローンという順に上限金利が安いです。
希望融資額や金利に合わせてデンタルローンを選びましょう。
デンタルローンとカードローンの違い
デンタルローンとカードローンの利用を検討する際、自分に適しているローンを選ぶ必要があります。
デンタルローンとカードローンの違いを表にまとめましたので、確認しておきましょう。
デンタルローン | カードローン | |
---|---|---|
金利 | 平均5%程度 | 平均10%程度 |
使い勝手 | デンタルローンのみ | 自由に利用可能 |
融資までの時間 | 2~3週間 | 最短で即日融資 |
申込の手間 | 手続きに手間がかかる | スマホから申し込めて簡単 |
歯科治療だけの目的なら金利の安いデンタルローンがおすすめです。
ただし以下の項目にひとつでも当てはまるなら、カードローンの利用も検討してもよいでしょう。
- 少額だけお金を借りたい
- 急ぎでお金が必要
- 1ヵ月程度で全額返済見込みがある
カードローンには「30日間無利息サービス」が存在し、期限内に返済すると実質利息0円でお金を借りられます。
お金の利用目的も自由なので「1ヶ月で返すから5万円借りたい!」といったときは無利息で借入が可能です。
また申込から融資までの時間が短く、申込手順も簡単です。
さらに即日融資が可能なので、急いでいる人でも効率よく利用できます。
SMBCモビットなら電話連絡、郵送物なしにできる
借金というイメージから、カードローンの利用に少なからず抵抗のある方もいるでしょう。
しかしSMBCモビットのWEB完結申込を利用すれば、職場への電話連絡なし、郵送物なしで契約が可能です。
そのため会社の上司や部下、家族に借入が知られることを防げます。
SMBCモビットのWEB完結申込は、スマホがあれば申し込みが完了します。
WEB完結申込に必要な条件は以下の通りです。
■三井住友銀行、三菱UFJ銀行、みずほ銀行、ゆうちょ銀行のいずれかの口座をお持ちの方 ■全国健康保険協会発行の保険証(社会保険証)、もしくは組合保険をお持ちの方 |
■本人確認書類として以下のいずれかの写しが提出可能 運転免許証・パスポート ■現在の収入を証明できる書類として、以下のいずれかの写しが提出可能 源泉徴収票・税額通知書・所得証明書・確定申告書・給与明細書(直近2ヶ月分) ■勤務先を確認できる書類として、以下の2つの写し 健康保険証・給与明細書 |
プロミスは「契約日」ではなく「利用日」から無利息期間を活用できる
プロミスは30日間の無利息サービス(※メールアドレス登録とWeb明細利用の登録が必要)があります。
他社の無利息サービスは、契約した翌日から無利息の期間がスタートします。
そのためすぐ利用する予定がない方は、無利息期間を無駄にしてしまう可能性があります。
しかしプロミスでは、お金を引き出すまで無利息期間が発生しないため、万が一の備えの為だけに契約が可能です。
「急ぎでお金が必要、1ヵ月程度で全額返済見込みがある」といった方はプロミスの利用を検討しましょう。
高額融資を希望するならオリックス銀行カードローン
50万円以上の融資を希望する場合は、銀行カードローンも選択肢の1つです。
消費者金融に比べると、銀行カードローンは金利を低く借りられます。
オリックス銀行カードローンであれば、上限金利が1.8%~17.8%と消費者金融よりも低く設定されています。
消費者金融のように即日で借りることはできませんが、金利を抑えた借入が可能です。
デンタルローンのまとめ
歯の治療はすぐに命にかかわらないため、保険適用外となってしまっている治療もたくさんあります。
お金がかかるからと、深刻に考えず長年放置してしまっている人もいるでしょう。
しかし長期的に見れば、歯の健康は歯の寿命につながることもあります。
治療の必要な個所があれば長期間放置するのではなく、ローンを組んででも早めに治していくと良いでしょう。
保険や自費で費用を賄えれば問題ありませんが、最先端の治療などの場合は高額になるものが多くあります。
そんなときはクレジットカードやカードローンよりも金利の低く、計画的な返済が可能なデンタルローンの利用を検討しましょう。
デンタルローンの金利は低めですが、返済期間が長くなる場合は負担が大きくなることもあります。
随時返済が可能なローンを選んだり、あらかじめどのくらい負担がかかるのか把握しておくと良いでしょう。
デンタルローンを利用すれば最後まで治療を進められるので、お金のことを心配しないで治療に専念できるでしょう。
ただし治療を開始するためには、審査に通過して契約ができないといけません。
審査の厳しいローンでも契約ができるよう、利用方法が審査に影響する場合があると認識しておくことも必要です。
「デンタルローン」という名前のローンを提供していない金融機関でも、利用用途が自由なローンで代用が可能です。
もし手ごろなローンを見つけられなかった場合は、日ごろ利用している金融機関に相談に行ってみるのも良いでしょう。